前回の続きで、ではどうやって頭を使って心を鍛えるのでしょうか?
まずはそもそも心を鍛えて強くなるとはどういう事なのかを少し考えてみましょう。
例えば「挫けそうになった時に立ち向かえる」、「厳しい練習にも耐えられる」、「本番で実力がしっかり出せる」などが考えられるかと思います。これらを一言で表すなら、「決めた事を達成できるように、途中で挫けずに最後までやり抜ける心の力」とも言えると思います。
では私が経験した例を1つご紹介して、どうやって挫けずやり抜く力を頭(考え方)で付けるのかをお話します。
ある大会で、1回戦突破を目標にしていた生徒が1回戦からシードのとても強い選手と戦う事になって、戦う前からやる気をなくしてしまっていました。
そこで私はその生徒に「変えられない事を考えるより、変えられる事を考える」ように話しました。
変えられない事は「対戦相手自体や、相手の強さ」で、変えられる事は「自分がどうその試合に臨むか」です。相手が強くて1回戦で負ける可能性が高いなら、その相手にどうやって最初の1ポイントを取れるようになるかを考えて、しっかりウォーミングアップや準備をするかを考えた方がよっぽど良い経験になります。
さらに「過去の事実」は変えられませんが、「過去の捉え方」は変えられます。ですので、仮に挑んで負けても「強い選手に1回戦で当たって負けるなら出なければ良かったと」捉えるのか、「強い選手と1回戦で当たって負けてしまったけど、最後まで気持ちで負けないで前に出て戦える良い経験になった」と捉えるのかは、自分でどうとでも変えられます。
言うは易しやるは難しで、分かっていてもそのように考えるのは難しいのですが、色々な場面を通して癖付ける事で徐々に出来るようになります。
人はついつい変えられない事(過去の事実や他人の行動、考え方など)ばかり考えてしまいますが、自分でコントロール可能な事(自分の考え方や行動)に集中し、結果を少しでも変えるように頑張れれば少しずつ心が鍛えられていくと思います。